最終日

3月20日(木)   天候:曇    記入者:OTK

調査概要:周辺遺跡見学

 今日で全行程終了。日本へと帰国します。

今朝はベトナム側が企画してくれたハノイ周辺の遺跡巡りに出発するため、7:00にホテルをチェックアウト。昨日は謝恩会があり、遅くまで盛り上がっていたため寝坊しないかと不安だったが、誰1人遅刻することなくロビーに集合。荷造りも完璧!各自時間を見つけて買いに行ったお土産も無事スーツケースに詰めたようである。

Img_6595 ホテルを出発し、バスに揺られること3時間弱、最初の目的地に到着。とても古いお寺(名前は忘れてしまった・・・)だそうで、ここでは当時の建築様式を知る上で重要な資料を見ることができた。

午前中はその他にいろいろと見学して回ったが、バスでの移動、各所を素早く見学と、とにかく慌ただしく時間が過ぎていく。気が付くと12:00をまわり、昼食の時間になった。

お店にはいると、見たこともない人が同じ一団の中にいるのに気づく。なんでも、どこどこの副知事さんだとか、どこどこの研究所の人が来たらしく、いきなり宴会みたいなことが始まってしまった。

昨日も宴会はしたじゃないか・・・

    時間がないのにこんなことをしていてていいのか・・・

 まぁ、これも今後の調査に向けて大切なことなんだろうな、と自分を納得させる。

 

ところで、ベトナムでは昼間でも平気でお酒を飲む。昼休憩で行った食堂でも普通にビールを注文している客は多かった。お酒を飲むだけならいいのだが、その後、普通に車やバイクを運転するのだ。日本なら大問題である。しかし、ベトナムではそんなことはお構いなしである。これはベトナムに来て一番のカルチャーショックであった。

14:00、宴会を終え、遺跡巡りを再開。

Img_6644 午後はベトナム歴代皇帝の墓(陵墓)を中心に見て回った。午後1番に訪れた皇帝墓は、何とダムの中にあった。現場へはボートで向かう。エンジンはあるのだが、途中、プスプスと音をあげ今にも止まってしまいそうな状態になるも、無事陵墓(島?)に到着。その陵墓は、とてもダムの中にあるとは思えないほど立派なもので、これからどう保存していくのか(保存はしないのか?)とても興味深いものであった。

Img_6699 さらに、二箇所陵墓を回ったのだが、時間がないのか、簡単に見る程度で済んでしまった。しかし、午後の見学では、ベトナムでも昔の王は立派なお墓を造っているということが分かり、日本の古代と共通する部分として見ることができた。

16:30、全ての見学を終え、ホテルへと出発。今日の慌ただしさの反動か、バスの中では皆眠りに就いていた(かく言う自分も帰りのバスでの記憶はほとんどない・・・)。

18:30、道の途中でベトナムでの最後の晩餐、ベトナム風つけ麺を食べた。海外に行くと食が合わなく困ってしまうことがあるようだが、僕は今回に関してはそういったことがなかった。食に関しては大満足であった。

19:50、ホテルに到着。フロントに預けていた荷物をもらい、すぐに空港へ向かう。

20:40、ノイバイ空港に到着。諸手続を済ませ、出発の時を待つ。最後のお土産タイムだったが、大したものが変えず。(それにしても、空港のお土産はなぜあんなに高いのか。)

23:30、ベトナムを発ち日本へ。機内ではゆっくり眠れる・・・と思いきや、機内サービスだの、朝食(朝4:00頃に出てくる)だので、ほとんど眠れず。仕方なく見始めた映画も最後まで見ることができず。「終わりよければすべてよし」なんぞどこ吹く風。

日付もかわって3月21日木曜日、日本時間5:30関西国際空港に到着。帰りの飛行時間は4時間ほど、行きに比べると随分早かった。

飛行機を降りると、ひんやりと肌寒い。日本に帰ってきたんだな、と実感。もう3月の終わり、この時間から空は明るくなりつつある。一ヶ月もいなかったのか、としみじみ思う。

先生方の中にはすぐに次の仕事が入っている方、また関空から他の便に乗り継ぎの方がいたため、感傷に浸る間もなく解散、各自別々の道を行く。

一ヶ月間、本当にお疲れ様でした。(終)

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3月19日

319日(水)   天候:雨のち曇り   記入者:シュガー二等兵

   調査概要:D2区東壁断面図作成

        ラベル書き換え

Img_6403  今日で今回の調査も終わりである。本来なら、今日の午前中は片付けと、今日の午後の発表の準備でよかったはずなのだが、OTKとSは昨日やり残したD2区の断面図の作成を、MKとYYはD3区の断面図に貼ってあるラベルの薄くなったところを書き直すことに。ベトナムで売っているマジックペンは質が悪い。2,3日ですぐに薄く、紫色に変色していく。ラベルの書き直しは今回で4回目である。「次回は、日本から、大量に持っていったほうがいいなぁ」。こうしてまたひとつ賢くなっていくのである。

そうして、断面図も、度重なるやり直しの末完成し、ラベルも、大量のやり直しを経て完了し、午前中の作業を終える。午後は、前述のとおり、今回の調査の成果の発表である。Y先生、S先生、ヤンバルテナガコガネは調査区の事務所で発表の準備に大忙しであった。

14時、成果の発表が始まった。まず、Y先生より今回の調査について、簡単な説明があり、この調査研究の最終的な目的の説明があり、次に、Nさんの発表であった。

Img_6446 Nさんは、このタンロン遺跡の遺構ごとの年代や、その対応関係について発表された。が、ほとんどベトナム語で説明されていたので、僕にはあまり、説明自体は分からなかったが、そこは今まで調査していた場所である。調査中もいろいろと教わっていたので、おおよその見当はつくのであった。そしてS先生の発表の番になった。

S先生は、今回、調査団の中でも、異色の先生である。発表中に廻された、先生のやろうとしている「GISを用いた遺跡の復元作業」のサンプルに、日本人、ベトナム人の区別なく驚いた。アレは何回見てもすごいと感嘆せずにはいられないのである。S先生の発表の次は、ヤンバルテナガコガネの発表である。

Img_6513 ヤンバルテナガコガネの専門は、昆虫化石による古環境の復元であり、今回の調査でも、それを行うはずであったのだが、いろいろあって実行できなかったのだ。なので、こんかいは、その、昆虫化石を使ってどうして古環境が復元できるのかの理論の説明だけにとどまった。

Img_6525 最後に、M・S先生とI先生の、2002年に、バーディン遺跡で出土した遺物に書いてある文字の解析調査の結果の発表があった。文字列をくっつけたり、間を推測したりの調査は、素人目にも大変な作業であろうが、それを一週間もないうちに、まとめ上げれるなんて、つくづく、すごい先生方と一緒にいたものである。

そして、また、Y先生の、今回の調査のまとめがあり、それにて、調査成果発表会も終了。この後、Nさんの事務所に返す道具類、次の調査までおかせてもらえる道具類を整理し、片付けも終了。長い長い一ヶ月の調査も、実質今日で終わったのである。

本日学んだこと「時は金なり」

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3月18日

3月18日()   天候:曇時々雨  記入者:OTK

  調査概要:D2区レンガ・瓦のレベル取り

       D2区東壁断面図作成

       D3区において図面作成

       文字磚の拓本整理

Img_6312   当初の予定では、今日で作業を終了させる予定なのだが、今まで思ったような調査ができていない、さらに今日はN・Aが病欠、そんな中で無事に終わるのか・・・不安の中、いつも通り8:00午前の作業開始。

 OTKとSは、D2区内にあるレンガや瓦のレベル(高さ)を測った。一つ一つ全部を測っていてはキリがないのでNさんに指定されたモノのレベルを測った。TSを使えば高さは簡単に測れるのでは、とも思ったのだが、人の手で測ったほうが正確性は高いというNさんのこだわりで高さを測る機械レベルを用いて測量した。数としてはたいした量がなかったので午前中いっぱいを使って何とか終わらせることができた。今までやってきた50分の一図面があまりに大変だったので、物足りなく感じた。

Img_6306  ヤンバルテナガコガネとSyはD3区において、作業最終日だからなのか、様々な種類の図面作成を行った。つい最近出土した木片の10分の1、南拡張トレンチ断面図、午後に入って北端にある木柱断面、今までにあった木片の50分の1・10分の1図面、とまさに図面のオンパレード。テキパキと作業をこなす姿から、「今日で全てを終わらせる」、そんな思いが伝わってきた。

 M氏、Y・Y、M・KはA区で文字磚の拓本の整理作業、明日はこの文字磚に関わる発表もあるため人員を総動員しての作業である。この作業は昼休みを挟んで、午後もつづけて行われた。

 午後、前述の作業をSyらが行うなか、OTKとSはD2区東壁の20分の1断面図の作成と、D3区西壁断面図の修正を行った。ちゃんとした成果を出さなければいけないので、どんな些細なことでも修正、修正、修正・・・最終日の忙しさも、今日で終わりというモチベーションがあれば乗り切れる、時間の経つのも忘れ、17:00作業終了。学生の立場ではこれで本当に終わりなのか判断できないが、みんなで苦労をねぎらいあう。明日は片づけをして撤収。

「お疲れ様!」その思いだけがホテル内でも漂っていた。

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3月17日

317日(月)   天候:曇り時々雨   記入者:シュガー二等兵

  調査概要:D3区トータルステーション測量 

       D2区150平面図作成

       A区出土の文字碊の拓本

       D3区110平面図作成

       D2区レベル測量

 午前中の調査は、後半部隊の学生3人がTS測量の続きを、OTKとSが、引き続きD2区の平面図作成を、ヤンバルテナガコガネがD3区の平面図作成を、SyとMYはA区の文字磚の拓本をそれぞれ担当。先生方は、S先生を残してみなA区へ赴き、おのおのの研究調査を行われた。

 さて、今日は、記念すべき日である。なんと、TS測量と、D2区の平面図作成を終えることができたのだ。ようやく、というべきか、両方とも随分長くかかってしまい、多くの調査に支障をきたしていたので、正直ほっとしている。とはいえ、ほっとしてばかりもいられない。やらなければいけないことは山のようにあるのだ、まずTS測量のほうが先に終わっていたので、手の空いた学生3人で、D2区のレベル測量に入る。

Img_6290 これは、断面図作成のときとは違い、礎石やレンガ列などの高さを測ることで、遺跡の対応関係を見極めるといった調査であるから、レベルの据付が大変になるけれど眼高をきっちりあわせたほうがやりやすい。据付け方をNさんやヤンバルテナガコガネにいろいろ教わりながらだから、というわけではないが、レベル測量は据付だけで、午前中の作業を終える。

13時半、午後の作業である。ここで、後半部隊の3人のうちNAとYYの2人が体調を崩す。ようやく回復したばかりだというのに、やはり無理はしないほうがいいということなのだろうか。

レベル測量のほうは、OTKとSも加わり、元気なMKと3人で進行することに、Sy、MY,ヤンバルテナガコガネは、引き続き、午前中と同じ作業を担当する。

Img_6295 そろそろ調査期間も終わりに近づいている。いろいろな作業を一段落させなければならない、そう思っていた矢先、D3区で、屋根の骨格ではないかと思われる木片が発見される。人生何が起こるか分からない。Nさんも興奮気味に、写真を撮る。僕らのカメラでもNさんにとってもらう。

そして木片に保護のためにシートをかけて、今日の調査は終了。D2区もD3区も、大きな変化を見せた一日であった。

 

本日に学んだこと「あまり近い距離でレベルは覗かないほうがいい」

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3月16日

3月16日()   天候:雨    記入者:OTK

調査概要:D2区50分の1図面作成

       TSを用いた測量

       D3区50分の1図面作成

 昨日体調を崩した、N・A、Y・Yは欠席、ホテルで療養。11人で現場へ出発。

今日は、9:30から、後半部隊としてJ大学院大学から参加されたS先生によるGISデモンストレーションを行った。僕OTKとSを除く9人が参加。なぜ僕らは不参加なのかというと、去年の夏に一度S先生のデモンストレーションを日本で見せて頂いたからである。前回と今回は違うことをやるだろうから、是非参加したいと思っていたのに、作業の進行度もあり、残念ながら現場で作業・・・今日もD2区の50分の1図面作成・・・

昨日の日誌にもあるが、もう1週間近く図面を描いていて、正直退屈するのだが、日に日に完成へと向かう図面を見ると、作業をした甲斐があると思える。今はそれだけが心の支えになりつつある。

Img_5717 デモンストレーションは午前いっぱいかかって行われた。デモンストレーションが終わり、昼ご飯を食べに行く途中、どんなだったかを聞いてみた。1度体験しているので、原理や機具等どうするのかは分かっていたのだが、やはり夏とは内容が少し違っていたらしい。それを聞くだけで、参加したかったという思いが強く浮かんだ。

昼食を済ませるとその足でタンロン王城の北門の見学に向かった。後半部隊にとっては初めてである。二回目にして気づいた(遅い?)のだが、北門には所々えぐれた部分、穴が空いた部分がある。これは、フランスによるものだそうだ。よく見ると日付が書いてある。(「1882/04/25」とあった、この日に何があったのか、今後調べてみようと思う。)

Img_6271 現場に戻り、午後の作業を開始。昨日の作業の継続でOTKとSはD2区50分の1図面作成、M氏とM・KはTSを使いD3区の磚溝測量を行った。D2区の図面は自分たちの中では完成!というところにきたが、今日の作業の最後の最後に追加で描かなければいけない場所を指定された。しかし、TS測量とともに、明日には終わるような段階に来た。なんとか終わるといい。

ヤンバルテナガコガネとSyはD3区の50分の1図面作成を行った。今日の時点で新しい作業にはいるのは時間的にも厳しいのだが、2人はスイスイと仕事をこなしていくので、すごいと思う。

2人に負けずに頑張り、あと数日を乗り切りたい。

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3月15日

3月15日()     天候:雨のち曇    記入者:OTK

調査概要:D2区50分の1図面作成

     D2区西壁土色確認

トータルステーションを用いたD3区南西部磚溝測量

     D3区西トレンチ拡張部断面図作成

     遺物コンテナ内ラベルの書き換え

Img_5697  いつものように、8:00に午前の作業を開始。OTKとSはD2区の50分の1図面の作成。この作業、やり始めて1週間近く経つのだが、一向に終わる気がしない。「遺跡を考える上で重要なモノだ!」といわれる以上、「そうなんだ、じゃあ頑張ってやらなければいけないな」と自分に言い聞かせ作業をするのだが、あまりの細かさに描いていて、今どこをやっているのか、と混乱することがある。

 ヤンバルテナガコガネとSyの午前の作業は、D2区西壁の土色確認。このD2区は上に青色のトタン屋根があるため、色を識別するのが非常に難しい。一度、平面図を描いている途中で地面の色を確認したのだが、何もしないで見た時と白い板をかざして見た時では色が全然違う。黄色の土は「黄+青=緑」にあるように、本当に緑色に見える。そんな状況下での壁の土色確認は大変だったであろう。

 後半部隊の学生はTSを用いてD3区南西部の磚溝の測量を行った。この作業は人手が足りず、しばらく止まっていた作業なので、とても助かった。ただし、皆TSの使い方が分からず、一度指導した上で作業したのだが、たった一度の指導である、ぶっつけで作業をしてはたして上手くできるのか・・・

Img_5581  9:30、少し時間ができたのでY先生を現場に残し、12人で歴史博物館見学に出発した。

ベトナム語での説明が主で、英語訳もあるのだが不勉強のせいか、書いてあることはあまり理解できなかったのだが、現代に至るまでのベトナムの歴史遺物がたくさん展示してあり、とてもおもしろかった。

ところで、見学中、後半部隊でやってきたN・AとY・Yが椅子に座りぐったりしていたので、何事かと聞いてみると、どうも気分が優れないらしい。本人達曰く、湿気に弱く高湿度の場所にいると全身がだるくなるのだそうだ。ベトナムの食事も香草が効き過ぎていて合わないらしく、あまりご飯が食べられないらしい。まだ1週間近くあり、現場では重労働が続く、この先が不安である・・・

Img_5703 博物館の近くで昼食を済ませ、14:00、現場に戻り午後の作業を開始。OTKとSは引き続きD2区50分の1図面作成。ヤンバルテナガコガネとSyはD3区の西トレンチ拡張部の断面図作成を行った。このトレンチは結構重要なモノであるらしく、丁寧な仕事が求められた。M氏は休憩所の隣に置いてある、コンテナ内のラベルを今回から使用する表記に書き換える作業を行った。M氏は瓦を専門に研究しており、コンテナ内にはこの遺跡で見つかった瓦も多数有り、かなり喜んでいたように見える。西トレンチ拡張部断面図作成を終わらせたSy、ヤンバルテナガコガネも選別の手伝いをした。

さて、博物館見学でぐったりしていたN・AとY・Yだが、やはりダメらしい、午後はずっとダウンしていた。残されたのはM・K1人、さすがにTSは1人ではできないので、M氏の手伝いをしていたようだ。それでもTSは1084~1391まで点を落とせたのでまあまあのペースではないだろうか。

D2区50分の1図面作成、TS測量等まだまだ終わりが見えない作業が多い。19日には作業を終わらせる予定である、何とか頑張りたいものだ。

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3月14日

314()  天候:曇時々雨  記入者:OTK

  調査概要:D250分の1図面作成

       D2区西壁レベルうち・断面図作成

Img_5563 今日から後半部隊8人が加わり、調査隊は13人の大所帯になる。

後半からは先生4人、学生4人(M大学からN・A、M・K、Y・Y、N大学から院生M・Y、通称M氏)が参加している。

OTK、シュガー二等兵(S)、O改めヤンバルテナガコガネ、Sy4人はいつも通り740に現場へ向かう。800、作業開始。Y先生と後半部隊の計9人はコーロア城並びにその周辺の見学に向かうため朝は別行動、930にホテルを出発した。

午前の作業はD250分の1図面作成(OTKS)とD2区西壁のレベル打ち・断面図作成(Sy、ヤンバルテナガコガネ)であった。

 50分の1図面作成は、作業開始から今日で約5日目を迎えた。D2区の50分の1図面作成は4グループに分かれて行っていたのだが、とうとう僕らだけが残されてしまった。先生方は直接口には出さないが、急かされている雰囲気がひしひしと伝わってくる。

確かに作業は遅いかもしれない。ただ、今回図面を描いている場所は、とても複雑な地形をしているし、細かい遺物も多い。多少時間がかかるのは大目に見て欲しい。

D2区西壁では、8mと8.5mのレベルを入れ、それから断面図作成を行った。ヤンバルテナガコガネ・Syの二人はとても慣れた手つきで図面を完成させていく。

気づくと時刻も1130、集中度、忙しさがあると時間が経つのが早いのか、昼休憩の時間になっていた。

ヤンバルテナガコガネ・Syは後半部隊からの差し入れの某カップ焼きそばを食べるようだったので、Sとレストランへ。安くも高くもないご飯を食べ現場に戻ると、これまた差し入れのインスタント味噌汁が置いてあったので飲んでみる事に・・・

感無量・・・

こんなにおいしい味噌汁は飲んだ事がない!そんな感覚に陥った。これならいつものコーヒーブレイクもミソスープブレイクにしようとさえ思える、それぐらいの感動であった。後半部隊にはただただ感謝である。

その後半部隊はというと、午前中にコーロア城と周辺の見学を済ませ、1530ごろにベトナム側の調査隊との顔合わせをし、さらに調査区ADの見学を行った。夜のミーティングでも話が出たが、日本と比べ、規模が大きく驚いていたようだ。明日も現場周辺の遺跡見学をするようで、この2,3日は現状把握を優先し、その後現場に入り調査協力をしてもらう。

Img_5578 1330から午後の作業を行ったが、現場組の4人は午前と同じ作業に終始。Sと描いている50分の1図面は75%ほど完成した。まだ日はあるとはいえ、いつ何が起こるか分からないので、すぐにでも完成させなければならない。まだ他に作業が残っている、後半部隊に手伝ってもらうとはいえ、ゆったりと作業はしていられない。ヤンバルテナガコガネも昆虫分析がまだかなり残っているようで、今回の日程内では終らせる事は難しいらしい。

とにもかくにも、現場作業はあと5日ほどで終了する。急に慌ただしく、騒がしくなった現場だが、無事に日程を終えられるよう、頑張りたい!

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3月13日

313()  天候:曇   記入者:Sy

調査概要: AB区での昆虫化石サンプリング

     文字磚の拓本と写真撮影

     D250分の1図面作成

 Img_5505 ヤンバルテナガコガネとSyは朝現場に着くとすぐ準備を整え、AB区へ昆虫化石のサンプル採集の作業に向かった。A区では現地調査員のTさん及び数人の作業員さんが案内と補助をしてくださり、池跡や、河川跡などから合計6ヶ所サンプリングを行う事ができた。午後、ヤンバルテナガコガネはD区に戻り、採取した土の分析作業にかかるも、サンプル量に対し、時間と人員のあまりの少なさから、今回の調査期間中には昆虫化石の発見・分析作業を終える事は非常に困難であろうという報告がなされ、残念でならない。

Img_5685  SyはヤンバルテナガコガネとはA区で早々に分かれ、午前・午後と丸1日を用いて、昨日に引き続き、文字磚の拓本をとり、写真撮影をするという作業を行った。今日はだいぶ作業にも慣れ、拓本をとるスピードも上がっていった。Y先生も途中からA区に来られ、昨日に引き続き、主に「永寧場」・「江西軍」という判の押された文字磚の分類を行った。「永寧場」の方は、縦長で、さらに上方の2角が削られた、二角丸長方形になっている。字の書き方で3種くらいに分けられるのではないかと思われる。「江西軍」の方は、判の内側にさらに1線枠が彫られているので、拓本をとった際には、磚の上に二重の枠ができているように見える。「江西軍」の磚の数は膨大なため、今夜到着される先生方にもじっくり見てもらい、検討をしたいとの事。

 OTKSは本日もD2区の50分の1の図面作成に終始。本当に集中力のいる作業を黙々と行ってくれて、本日までに彼らの担当している地区の半分ほどは終了したという。彼らがいつか爆発しないかと少し心配だが、彼らの製図能力が今回で格段に向上した事は間違いないだろう。

 今夜、お待ちかねの後半部隊8名がやってくる。Y先生がハノイの空港までお出迎え。後半部隊は関西空港からの直行便だったため、夜12時前には全員無事ホテルに到着。まだお会いした事のない先生や、学生も多いため、どんな方達なのかと興味津々。けれど、今夜は時間も遅いため、ご挨拶はまた明日。後半部隊の調査期間はたったの1週間。前半部隊はその最初の1週間で次々と倒れていったけれど、後半部隊は果たして何人生き残れるのか…!!幸運を祈る。

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3月12日

312()   天候:雨のち晴れ   記入者:シュガー二等兵

   調査概要:昆虫化石の土壌サンプリング採取・整理

        D2区平面図作成

        D3区西壁断面図注記

        A区出土の瓦の文字線の拓本採取

        

 今日は先生が帰ってきてはじめての現場である。「帰ってきて」という表現は何となくおかImg_5480しいような気もするが、あまり気にしないのである。

天気は雨、とあるが雨自体はあまり強くない。そのくせ風が強く、少し肌寒い。そんな中を先生は、自分のいなかった間の現場の変化を見て回り、その後、先生のいなかった間の指揮を執っていたNさんと色々と話し合う。我々学生とのミーティングも行い、そろそろ調査へ。

 そして、そんな記念すべき今日の調査はというと、OTKSは相変わらずD2区の1/50の平面図作成だが、O氏とSyは念願の、昆虫化石分析の土壌サンプリングの採取を行う事に。小雨の降る中を、レインコートに身を包み、スコップ担いで颯爽と現場へ。早くも午前も終わり頃に昆虫化石を発見し、ケースに入れて先生に報告。今までのサンプルは空振りが多く残念であったが、これからの調査に期待が高まっていく。

 さらに、今日から再び現場のビデオ撮影ができる事に!先生が日本から、ビデオテープを持ってきてくださったのだ。ベトナムでは、ビデオテープはかなりの貴重品なのである。

Img_5487  早速OTKがビデオカメラを片手に現場を歩き回る。心なしかナレーションにも気合いが入っていた。

 いつしか雨も上がり、午後の調査は青空の下、開始。

 O氏は、午後は一人での土壌サンプリングの採取を行い、その後D3区西壁の断面図の注記を行い、さらにそれが終ると、土壌サンプリングの整理を行う。水分を含んだ土は重くImg_5494、テンバコを動かすのにも一苦労である。

 Syは先生と共にA区へ赴き、倉庫に眠っていた文字磚の拓本をとる。文字線のグループ分けは、ひどく細分化していて複雑。文字のハンコも彫りが深く、瓦自体もかなり乾燥しているのか、スポンジのように水分を吸収していき、おまけに外での作業なので、はりつけた紙が、乾いた瞬間に飛んでいくという地獄を味わったそうである。

 OTKSは引き続きD2区の平面図の作成を行っていた。Nさんにワーカーの人にどう手伝ってもらうと効果的かを教えてもらっていたのであるが、何分、身分は学生で人を使う事には慣れていないせいか、自分でやった方が早いのではないか、とそう思ってしまう。

 もちろんいい意味で、先生が現場にいると思うと、緊張感が生まれるのだろうか。みんなで「なんだか今日は時間が経つのが早いよね」としきりに話していた。

そんなこんなで今日の調査も終了。今日の夕食は現地の学生さんが、おいしいお店に連れて行ってくれるという話なので、とても楽しみである。残念ながら、先生はNさんと色々相談事があるとかで一緒ではないのだが、お店までは学生さんのバイクで、4人それぞれ二人乗りで、という事で、かなり楽しみである。

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3月11日

311()    天候:曇    記入者:OTK

調査概要:D2区、50分の1図面作成

     D3区、KX0005000650分の1図面作成

     図面写し

 800Nさんの指示により、午前の作業開始。OSyD3区で、昨日までに見つかっていたKX0005と今日新たに設定したKX000650分の1図面作成をし(KX:不明遺構)、さらにその図面に周辺の木片などを書き写す作業を行った。OTKSD2区のG90G92D90D92付近の50分の1図面作成を行った。

今回、D3区では100分の1図面を作成した。なぜ50分の1図面を作成するのか?それは午後のミーティングでNさんに説明されたのだが、D2区はとても複雑な地形をしており、100分の1では細かくなりすぎるようだ。また、100分の1図面に比べ情報量が多くなり、今後の指針が立てやすくなるのだそうだ。なるほど、ただ漠然と図面作成を行うよりも、はっきりとした目的があると作業の集中度が違ってくる。

今回、平面図、断面図作成をかなり行っていて、スムーズに図面が取れるようになってきているし、さまざまな倍率にもすぐに対応できるようになっている。これはかなりの進歩なのだろうと思う。「掘る」作業はなかなかできていないがいつかできるだろう、と淡い期待を抱きつつ午前の作業を終える1130を迎えた。

昼休憩、久しぶりに大衆食堂でご飯を食べた。ここ5日間、少し高めのレストランやファーストフードで食べたのだが、個人的には大衆食堂が一番落ち着くし、なによりおいしいと感じる。値段的にもかなりお得なのが嬉しい(日本円換算で一人あたり200円しない値段で食べられる)。隊の会計係を務めている事もあってお金に敏感になっているのだろうか、日本ではこんな事は気にしないのに・・・

 現場に戻ると、みんな一斉に昼寝を始めた。疲れでも出たのだろうか・・・

1330、午後の作業開始。OTKSは引き続きD2区の図面作成。途中、Nさんがアドバイスをくれた。図面を描く上では、はっきりとした地層の認識が重要で、そのためにはガリを用いて自分で層・面を追っかけていく必要があるらしい。念願の掘る()作業ができると喜び、Sと二人、ガリを片手に地面をきれいにしていったのだが、これがなかなか難しい。地層がどのような広がりを持つのか、前後関係はどうなのか、話し合いながら進めていくが、どうもうまくいかない。途中、Nさんが手助けをしてくれたのだが、スイスイと進めていく。経験を積まなければうまくいかないのだろう。OTKSはこの作業に終始。

OKX00050006がどういったものであるのかを考えていた。なにしろKXは不明遺構である。周辺の面との関係、壁に出ている層との関係を使い考えるも、いい答えが出ない。午後のミーティングである程度の解答が出たのだが、Oの期待していたものとは違っていて、少し残念そうであった。

Syは以前10分の1で取ってあったD3区内の木片や遺構を、今日作成したD3KX0005000650分の1図面に書き写す作業を行った。書き写すだけとはいえ、倍率を変えて描くのはかなり神経を使う仕事のようである。終盤にはかなり疲れた表情を見せていた。1700、本日の作業終了。

調査日程もあと10日を切りいよいよ終盤戦である。ベトナム時間2300Y先生も戻ってくる予定で、明日から調査隊も5人での活動になる。最後まで気を抜かず頑張りたいものだ。

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